keniamarilia別注帯完成しました
【ご挨拶・歴史】
西陣まいづるさんは、戦時中、企業整備令により軍需産業に直結しない企業が統廃合されてゆく中、戦時中も伝統技術保存のために営業が許され機音を絶やさず織り続けてこられた織元様
この度 keniamarilia は、西陣のまいづる様に別注が叶った、特別な帯が完成いたしました。こちらの帯は1月23日24日のオーダー会にてお披露目となります。
まいづる様は、京都市上京区に工房を構える老舗西陣織メーカーで、2025年に創業118年を迎えられました。
戦時中、企業活動が厳しく統制されていた時代においても、まいづる様は伝統技術を保存するため、特別に営業が許された織元のひとつでした。
その時代においても機を止めることなく、
機音を絶やさず、織り続けてきた歴史があります。
それは単なる生産ではなく、日本の織物文化を未来へつなぐための、強い責任と覚悟のもとに続けられてきた営みでした。
そうした長年の歩みと技術が高く評価され、2025年には西陣織大会にて内閣総理大臣賞を受賞。伝統を守りながらも、時代に応じた表現を追求し続けてきた姿勢が、今なお静かにそして確かに受け継がれています。
今回の別注帯は、その確かな歴史と技術の上に、keniamariliaの世界観を重ね合わせて織り上げていただいた、特別な一本です。
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【なぜ、今別注なのか】
実は、keniamariliaが西陣のまいづる様と繋がるきっかけは、現代表・舞鶴様ご自身からのご連絡でした。
西陣を取り巻く状況を見つめる中で、「このままではいけない」「伝統を守るだけでなく、現代の感性と交わらせていかなければ未来はない」「新たな表現の可能性を模索していかなくてはならない」
そんな強い想いと危機感が伝わり、現代の装いとして着物や帯を捉え直しているブランドとしてkeniamariliaに目をとめ、声をかけてくださったのです
長い歴史を持つ織元様と“日常の延長線上に文化を取り戻す”ことを目指すkeniamarilia。その想いが重なり合い、今回の別注という形が生まれました。
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【舞鶴さんからご連絡をいただいたときの、正直な気持ち】
西陣のまいづる様からご連絡をいただいたとき、二言目には「ぜひ、一度伺わせてください」とお返事をしていました。
それほどまでに、ただただ驚いたというのが正直な気持ちです。
そして同時に、言葉にする前に胸に込み上げてきたのは、大きな責任でした。
百年以上にわたり織り続け、西陣の歴史と技術を背負ってこられた織元様が、
「未来」を想って声をかけてくださった。
その重みを受け取った瞬間だったのだと思います。この別注は、光栄であると同時に、
文化をどう次へ手渡すのかを真正面から問われた機会でもありました。
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【工房を訪ねて、確信に変わった瞬間__】
その後、実際に西陣のまいづる様の工房を訪ねました。
そこにいらした職人の皆さんは、穏やかでありながら、どこか厳かで、まっすぐな眼差しで織りに向き合っておられました。言葉は多くなくとも、長い時間をかけて技を積み重ねてきた方々特有の、静かな強さを感じました。
工房に響く機音は、不思議と心地よく、守られてきた時間そのもののように感じられました。そして改めて思ったのです。
「これはやらなければいけない」と。
けれど実は、その覚悟は、工房を訪れる前、ご連絡をいただいたその瞬間から、すでに決まっていたのだと思います。
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【なぜ「今の生活に寄り添う帯」にしたかった】のか】
keniamariliaが、今の生活に寄り添う帯をかばんとしてお仕立てしたいと考えた理由は、とてもシンプルです。
文化や伝統は、形ではなく精神であると、私たちは考えています。
その精神は、生活から切り離され、特別な場面でしか触れられないものになってしまえば、いずれ人の手からも、心からも遠ざかってしまいます。
だからこそ、日常の延長線上に、たとえ形を変えたとしても、自然に存在し続けることが何よりも大切だと思うのです。
今回の別注帯には、「しまわれる帯」ではなく、今を生きる人の暮らしの中で息づく帯、織物であってほしいという想いを込めました。
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【未来へ、手渡すために】
この別注帯は、過去を飾るためのものではありません。
百年を超えて受け継がれてきた技と精神を、今を生きる私たちの生活の中にきちんと置き
次の時代へ手渡していくための帯です。
文化は、守るだけでは続きません。
誰かの暮らしの中で使われ、時間を重ね、また次の誰かへと受け渡されていくことで
はじめて生き続けていきます。
keniamariliaは、この帯からつくられるかばんが誰かの日常に寄り添い、
やがて未来へと自然に託されていく存在になることを心から願っています。
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【最後に__】
この帯は、完成された答えではありません。
今日、あなたの感性で選ばれ、あなたの生活の中で使われ、時間を重ねていくことで、
はじめて完成していく帯です。
どうか特別な日のためだけでなく、あなた自身の暮らしの延長線上で、自由に、心地よく、育ててください。その時間の先に、この帯がまた誰かへと手渡されていく未来があることを、私たちは信じています。
そしてこれを選んだ皆様がこの未来を確かに作った一人となるのです。
当日ご覧いただく帯のすべてに、必ずその背景となる歴史と物語があります。
存在するからにはかならず作り手がいます、
受け継がれてきた技の先に、次の担い手が生まれていきます。
その一人が、あなたであるかもしれません。
