あずま袋というプロダクトへたどり着いた理由
なぜいま、あずま袋を選ぶのか、それは現代に生きた道具が未来をつなぐから
オリジナル反物によるプロダクトの第一弾は「あずま袋」です。このプロダクトを選んだのには、大切な理由があります。
そもそも「あずま袋」とはどのようなものか、ご存じでしょうか。
その誕生は、江戸時代にまで遡ります。西洋から「鞄」という文化が流れ込んできた際、日本人はそれまで培ってきた豊かな布文化を手放すのではなく、当時の暮らしに合う形へと再構成しました。
もともと日本人は、風呂敷や手ぬぐいに代表されるように、布一枚を状況に応じて使いこなす知恵を持っていました。その柔軟な発想を受け継ぎながら、西洋的な利便性を取り入れて生まれた当時の最先端の日用品こそが、あずま袋だったのです。
私は、反物や絹織物を過去の文化にしたくはありません。そのためには、特別なものとして大切に保存するだけでなく、日常の延長線上で使われる生きた道具として手渡していく必要があります。そしてそれが、産業を未来へつなぐためのもっとも現実的で誠実な方法だと考えています。
だからこそ、文化を継続させるための選択として、あずま袋をリデザインしたのです。